本物とは。 〜 あるミュージシャンの告白

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本物とは。


バンド全盛だった時分に、私の憧れのバンドがおりましたが、何より私たちには神のような存在でした。
誰にも負けない、怯まないという自信だけで生きてきたような自分達を目力だけで虜にしたのです。
あの頃、私たちが知りえた頃は、既にロックンロール界では、神的存在。
全国的にも支持されたツアーバンド。

その頃、神的存在の彼らは不動の地位を確立していたといっても過言ではありません。
暗い水の底で動いている途轍もない巨体。
たらされた釣り針さえも、あざ笑うかのようにロックンロール界の大海原を君臨していた。
そんな本物たち。

そんな神的存在だったバンドのT氏からある一言をいわれたのを今でも鮮明に憶えています。
それは、ご一緒になったあるライブでのこと。
T氏は、いきなり単なる勢いだけしかとりえのない私達に「最高のライブ」だったとはなむけをくれたのでした。
また自分の音楽は失敗だった…と。

その時、正直嬉しい気持ちはありながら、その言葉の意味はわからなかった…。
今、振返り思うことは、音楽シーンで生きていく真髄だったのではないだろうかということ。
はたから見ているには、成功者といえても、本人がみると失敗ということなのか…と考えています。

つまり、自分は現在、曲を描き、心を音に置き換えて多くの人々に伝え続けている、しかしながら、それは自分にとっての成功かと自分に問えば、答えは暗黙となる。
夢は生き続けることで、いつの間にか夢から現実となり、その現実は、どんなものでも不満へと変えてしまう…。
人とは、そういう生き物なのか?

本物といわれた、本物の彼らなら答えを知っている‥そんな気がしています。


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